【Dominion Strategy翻訳】打ち切りドロービッグマネー戦略

これはドミニオンストラテジー『Terminal Draw Big Money』の記事を日本語訳したものです。


●用語●

ビックマネー(Big Money:BM):

 厳密には、アクションを購入せず財宝と勝利点のみを購入する戦略を指します。実際には、財宝と勝利点を重視し、アクションが1枚か2枚だけの戦略についてこう呼びます。

エンジン(Engine):

 ビックマネーの逆です。大まかにいって、多くのアクションカードでデッキを回転させる、アクションを重視した戦略のことを指します。

打ち切り(Terminal):

 使用すると他のアクションを使用できないアクション。例えば+アクションのない島、仮面舞踏会など


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これは、フォーラムに投稿されたHiveMindEmulatorによるゲスト記事です。

"鍛冶屋ビッグマネー"は基本的な戦略の一つで、驚くほど効率的です。

この戦略の概要は以下です。

 ①鍛冶屋/銀貨でスタート

 ②どこかのシャッフル後のタイミングで二枚目の鍛冶屋を追加

 ③その他は単純に財宝と勝利店カードを購入

ゲーム後半に役に立つ市場や改築のようなカードを追加できます、しかし大半は単純に鍛冶屋と財宝の組み合わせです。鍛冶屋のドローで手札を7枚にし、高確率で金貨を買うことができます。加えて、十分な銀貨/金貨を持っている場合は属州を買うことができます。

もし他のエキスパンションを追加して、破棄やドロー加速等の鍛冶屋よりも優れたカードで"ビックマネー"戦略をしようとすると、鍛冶屋BMはかなり弱くなります。しかし、特に他に強力なエンジンを簡単に構築する方法がないときなどに、いくつかの鍛冶屋BMの変形は使えます。この記事の目的は、他の打ち切りドローカードを見ながら、昔の鍛冶屋ドロー戦略との違いやゲームへの影響について示すことです。

カードの説明に入る前に、ドローBMについて要点を説明する必要があります。最初に、たくさんのアクションを持つ余裕はありません(特に終盤)、何故ならドローしたカードは使えないからです。加えて、ドローをしないデッキと比較すると、ターンごとにいくつかのカードを無駄にします。結論として、ドロー加速と組み合わせるカードは、ゲームの序盤か終盤に強力なカードにこだわりたいと思います。例を挙げると、再建や引揚水夫のようなゲーム全体を通して破棄&利益を加速させるカード、そしてよろずや/仮面舞踏会/島のようなゲーム序盤に屋敷を破棄できるカードです。特にこれらの3つのカードは、最初に鍛冶屋よりも先によろずや/仮面舞踏会/島を購入し、3-4ターン目に鍛冶屋を購入するのがよいでしょう。

アクションを行うよりも、愚者の黄金/投機/へそくり/玉璽/埋蔵金/銀行/隠し財産//ハーレムのような王国の財宝カードを入手するほうが簡単で適切です。(借金/禁制品等のエンジンのためのカードを除く。また賢者の石もポーション購入がスピードを鈍らせるので除きます)

王国の財宝カードは、大抵の場合打ち切りドローBMをより強力にします。それらのカードは打ち切りドローBMを実行できる可能性を高めます。打ち切りドローDMデッキはドローして5金(銀貨に多く金貨に足りない)の際に遅れてしまうので、そのときに財宝を購入できるというのは実に有益です。

一方で、エンジンのための強力なカードと植民地がある場合は、打ち切りドローBM戦略にとって弱点となります。低速で安定した「カメ」戦略は、ゲーム終盤のメガターンに「ウサギ」戦略に追い越される可能性があります。

打ち切りドローBMの戦術を2つ示します。

1.もしリシャッフルを引き起こすドローカードを使用しようとするなら、その前に考える必要があります。現在手札に持っているカードはシャッフルに含まれないためです。もし、リシャッフルしてドローしても購買力の向上が見込めないのであれば、ドローカードは使用するべきではありません。

2.もしゲーム終盤の公領の取り合いが来たときは、あなたは相手のキーカードと金貨の位置を把握すると良いでしょう。鍛冶屋BMでは、例えば、一度勝利点カードを購入し始めて、一般的に属州ターンでは鍛冶屋+金貨もしくは金貨×2となります。もし相手がこれらの手札を持てるかどうか判断できない場合は、"Penultimate Province Rule"を破ることをおすすめします。

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公使

あなたの山札の上から5枚のカードを公開する。

あなたの左隣のプレイヤーはその中から1枚を選び、あなたの捨て札置き場に置く。

残りの4枚をあなたの手札に加える。

公使は鍛冶屋と最も似ている - とても似ているために陰謀のセットからは外されました。違いは何か?公使はあなたの手札に3枚ではなく4枚を加えます、また5枚ドローします。それは多くのカードをドローするので、打ち切りのアクションをデッキに追加する余裕がありません。(2枚目の公使を除く)

公使を使うターンはデッキの半分以上をめくります、デッキが19枚以上であれば衝突する確率の方が低いですが、その頃にはおそらくゲームが終わっているでしょう。

そのため、公使と他の打ち切りのアクションと組み合わせることはできませんが、デッキが高速回転するため一枚の公使でも十分でしょう。例えよろずやや島であっても、公使の取得前にそれらをプレイすることは避けるべきです。(仮面舞踏会と公使が同時に来た場合には、仮面舞踏会を優先すべきです)

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中庭

+3カードを引く

あなたの手札からカード1枚を選び、あなたの山札の一番上に置く。

中庭は陰謀版の鍛冶屋です。それは卑怯なほど良く、一見、コスト2で手札が2枚増えるため堀と似ていると考えるかもしれません。しかし、中庭はドミニオンにおけるコストとカードの強さの関係を示す良い例です。コストが高いほうが常に強いとは限りません。エンジンにおいて、多くのドローカードを打って手札を増やし複数のカードを購入する場合、全体でより多くのカードを入手できる鍛冶屋の方が良いです。もし鍛冶屋のコストが2であれば、購入を増やして鍛冶屋を大量に入手することで、鍛冶屋/村タイプのエンジンはバランスを崩すほど強力になるでしょう、しかし中庭はコスト2でちょうど良いのです。BMにおいては、カードを一枚デッキに戻す効果はデメリットでなく実に多くの利点があります。鍛冶屋BMよりも中庭BMのほうがかなり強力です、BMにおいては購入が増えないためコスト2とコスト4の間に違いはありません。

問題は、デッキにカードを戻す能力をどう活用するかです。最も直接的なメリットは、手札に同時に2枚の中庭が来ることを心配しなくて良くなることです。そうなっても一方はデッキトップに戻すことができます。これは2枚目の中庭を素早く購入できることを意味します(例:最初の銀貨購入後)、加えて、その他の打ち切りアクションを気軽に購入することができます。素早く2枚の中庭を持つことは大きなアドバンテージです、複数の鍛冶屋と同様、金貨購入の機会が非常に増えるでしょう。

ドローして手札が5金もしくは7金のときに余分なお金をデッキに戻すことを上記と組み合わせると、金貨を素早く大量に入手できるでしょう。また中庭を使って金貨をデッキに戻すことで、手札が大体8金になるように調整することもできます。

鍛冶屋と同様、最初の中庭を3-4ターン目に遅らせて、中庭よりも先に島/よろずや/仮面舞踏会を使用するべきです。そしてもしよろずや/仮面舞踏会を使用したならば、すでに余分な打ち切りのアクションを持っているため、同様に二枚目の中庭の入手も遅らせます。

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(後程、他のカードについても追記します)


翻訳元サイト:Dominion Strategy

カードイラスト:dominion.diehrstraits.com